本研究室の太田敬子教授が、ご病気のため、2019年11月7日に逝去されました。
太田先生はイスラーム期の中東社会史がご専門で、特に中東のキリスト教社会がイスラーム社会へと変容していく過程や、ムスリムとビザンツ帝国との関係について、アラビア語史料を活用した優れた研究成果を数多くあげてこられました。この分野においては我が国で屈指の研究者で、中東といえばイスラームばかりが連想されがちな中、より複雑で多様性に富んだ中東社会の歴史を描いてこられました。
太田先生は、文学研究院の組織改編にともない、2019年4月に旧・歴史文化論講座から本研究室へと所属が変更となりました。移ってこられたばかりでしたが、もともと専門分野が近いうえに、昨年度から演習に出席していた学生もあり、すぐに本研究室の欠かせない一員となりました。これから、共に東洋史学研究室を盛り立てていこうとしていた矢先にこのような形で太田先生を失うこととなり、本当に残念でなりません。
研究室の教員・学生一同、太田先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。