第280回東洋史談話会(2016年10月10日開催)のお知らせ

「15世紀のあるイラク人系譜学者との対話:サイイド/シャリーフ系譜学者の手控帳再論」

報告者: 森本 一夫 氏 (東京大学東洋文化研究所 准教授)

〈報告要旨〉かつて私は、『史朋』(39 [2007])に「サイイド/シャリーフ系譜学者の手控帳:英国図書館所蔵手稿本Or. 1406をめぐって」という一文を発表した。これは、ムハンマド一族の系譜を専門とするイラク出身の系譜学者の「手控帳」を検討し、そこから読み取れる当 の系譜学者の関心の所在などを論じたものである。今回の発表では、前稿刊行後に得た様々な知見を踏まえて、この稿本の特徴を検討し直すだけでなく、この稿本が、それが作成された世界について何を語っているのかにも論及する。なお、発表が扱う対象はアラビア語の手稿本だが、発表自体はアラビア語の知識がなくても、さらには当該時代のイラクやイランの状況についての知識がなくても、理解できるように心がけつつ行うつもりである。「史料の細部にこだわり、そこか ら史料に語らせる」という作業に喜びや魅力を感じる方に広く喜んでいただける発表にしたいと考えている。

  • 日 時 : 2016年10月10日(月・祝)17:00~
  • 場 所 : 北海道大学人文・社会科学総合教育研究棟(W棟) W309教室

終了後に懇親会もございます。ふるってご参加ください。