第297回東洋史談話会(2020年2月6日開催)

題目:「西南中国見学旅行報告」

報告者:浅野通彦氏(北海道大学文学部2年)

要旨

報告者は2019年12月26日から2020年1月5日にかけて中国を訪問し、11日間の行程で合肥・洛陽・重慶・大理・麗江を踏査した。今回の旅の主目的は、報告者が関心を持つ中国の西南地域を実際に自らの目で見ることにより、今後の研究テーマを設定していくうえでの一助とすることであった。近代中国史における重要な都市である重慶や、少数民族が多数暮らす大理・麗江を実際に訪れ、史跡などを見学したことは、自身の知見を深めることにつながり、とても意義深い経験になった。移動距離が約5600kmに及んだ今回の旅では都市間の移動に鉄道を用いたが、ローカル線の沿線に暮らす人々の生活の様子を垣間見ることができ、また中国全土に張り巡らされた鉄道などのインフラ整備の過程についても関心を持つようになり、今後の研究に対する視野が広がったことも旅の成果として挙げられるだろう。これらの成果を自身の研究に活かせるよう精進していきたい。

題目:「漢代史跡踏査報告─広州・長沙を中心に─」

報告者:岸佑香氏(北海道大学文学院修士課程1年)

要旨

報告者は、2019年9月5日から17日までの13日間、研究対象地域である中国広東省広州と湖南省長沙に滞在した。広州では西漢南越文王墓や南越国宮署遺跡、長沙では馬王堆漢墓など、漢代南方史において重要な遺跡を見学した。本報告は、そこで得た経験を写真やエピソードを交えて発表したものである。
今回の滞在では、史料を読んで得た情報を、現地を歩くことで確かめることができた。また、広州や長沙の人々との会話や博物館での展示などを通して、現代中国で南越国・長沙国の歴史がどのように受容されているか見ていくことができたのは貴重な体験となった。