題目:「フランス留学体験記」
報告者:金井雅子(北海道大学文学部4年)
要旨
報告者は、2025年1月から5月までフランス語学習および歴史学研究を目的としてフランス・ストラスブール大学に交換留学生として滞在した。本報告は、そこで得た知見や経験を写真やエピソードを交えて発表したものである。
留学を通してフランス語の能力は向上し、現地の人脈も増え、特にトルコ人学生と共に行動したことでイスラームの考え方や生活様式について直接体験することができた。イフタール(断食明けの食事)やバイラム(宗教祭)への参加を通じて、教科書では学べないイスラーム文化の実践的側面を肌で感じることができた。また「トルコ語及びオスマン語の言語と文学」の授業では、トルコ人学生の力を借りながらオスマン朝史研究に必要な言語スキルを実際に身につけ、幅広い文献に触れる機会を得た。
特に印象的だったのは、様々な言語を学ぶことで人との距離が縮まり、相手の母国語こそが相手の心の扉を開く鍵であると実感したことである。多様な言語への取り組みが、異なる文化背景を持つ学生たちとの深い交流を可能にし、留学生活をより実りあるものにしてくれた。この体験は、言語学習が単なる道具の習得ではなく、真の異文化理解への扉であることを示す貴重な学びとなった。
題目:「留学体験記(台湾)」
報告者:山崎弘樹 (北海道大学文学部4年)
要旨
報告者は、2024年2月末から2025年1月末までの台湾留学を通して、日本統治期台湾の歴史を研究すると共に、現在の台湾或いは台湾人を理解しようと試みた。
2月からの半年間は花連の国立東華大学に滞在し、中国語の鍛錬を重ねながら、現地の台湾人と寝食を共にした。
9月からの半年間は台北の国立政治大学に滞在し、台湾史関係の講義を履修しながら、日本統治期台湾の政治史を探究した。
結果として、台湾或いは台湾人を理解しようとすればするほど、ますます分らなくなっていったが、それでよかったのだと、ふと思う帰国日であったことを思い出した。