題目:「アルジェリア訪問2025雑感」
報告者:佐藤健太郎(北海道大学大学院 文学研究院 教授)
要旨
報告者は、2025年9月にアルジェリアを訪問する機会を得ることができた。本報告では、地勢との関わりを中心に、訪問中に考えたことを紹介した。報告者は長年マグリブ・アンダルス史を学んできたにもかかわらず、これが初めのアルジェリア訪問である。そこで、訪問の主要目的を土地勘を身につけることと設定し、そのための予備作業として、11世紀の地理書『諸道諸国の書』(al-Bakri, Kitāb al-Masālik wal-Mamālik)を用いて、地勢と歴史的な交通路について整理した。現在のアルジェリアに相当する地域には、アトラス山脈とその支脈が複数走っており、山地は地中海沿岸にまで迫っている。したがって、主要交通路は狭隘な沿岸を避けて内陸に山地に沿って東西方向に走っていた。海港へは主要交通路から枝分かれする山越ルートか、海港同士をつなぐ海路でアクセスする他なかった。そうした地理的前提を踏まえたうえで、本報告では、アルジェリアの諸都市や都市間交通路の景観を説明した。また、イブン・ハルドゥーン自伝を地勢との関わりから読み解くことも試みた。
題目:「エジプト滞在記」
報告者:加藤さえり(北海道大学文学院 修士2年)
要旨
報告者は、2026年の2月8日から3月8日にかけて、主に史料調査を目的としてエジプトに滞在した。本報告では、コプト正教会総主教座(カテドラル)内にある2つの図書館やエジプト国立図書館等、カイロに所在する図書館の最新の利用方法や所感を発表した。その他、コプト博物館や大エジプト博物館、アレクサンドリア等の観光についても報告した。また、エジプト独特の図書館ルールやラマダーンといった現地の習慣を体験するとともに、イラン情勢による帰国便の変更や狂犬病リスク等の数々のトラブルにも直面した滞在でもあった。