12月11日、北海道大学内で第219回東洋史談話会が開かれた。発表者は亀谷学、発表題目は「「信徒の長」「神の僕」「神の代理」―初期イスラーム時代におけるカリフ概念の再検討―」であった。
発表内容は、正統カリフ期からウマイヤ朝期にかけてのカリフの称号を、貨幣史料や碑文史料、書簡文史料などから検討し、「信徒の長」「神の僕」「神の代理」等の各種の称号がそれぞれいかなる性格を持つものであるかを明らかにしようと試みたものである。
10月23日、第218回東洋史談話会が北海道大学内で開催された。発表者は博士後期課程の大峠要氏、発表題目は「北朝における官吏登用の傾向について」であった。
発表内容は、北魏孝文帝期の中央官界を検討し、そこに門閥主義と賢才主義との対立が見られたとする先行研究の理解を批判するとともに、秀才孝廉という、当時の官吏登用制度の運用実態を明らかにしようと試みたものである。
7月17日、第217回東洋史談話会が北海道大学内で開催された。発表者は博士後期課程の宮崎聖明氏、発表題目は「元豊官制改革の施行過程について」であった。
発表内容は、元豊官制改革の施行過程を検討し、主に三省制に対する神宗と官僚の認識の相違と三省制確立過程を明らかにすることを試み、併せて「唐制への復古」という事業に対する官僚の認識について考察を加えた。
発表後、一時間に及ぶ質疑応答が展開され、活発な議論がなされた。
6月19日、第216回東洋史談話会が開催された。場所は北海道大学内。発表者は博士課程一年の城地孝氏、発表題目は「明隆慶朝の内閣政治について」であった。
発表内容は、明代隆慶時代の北辺政策の展開を当時の内閣政治と関連付けて検討することを通じて、張居正政権の生成過程を明らかにしようと試みたものである。
発表後、幅広い時代の政治史に強い関心を持つ会員の方々から多くの質問が出された。